からすぶろぐ

雑多な長文

昭和史講義(ちくま新書)――読中

先日の衆院選挙直後のころ。 

新聞読んでたら政治学者の対談記事があった。なんでも戦前にも2大政党制があったそうな。結末が515でああなったなわけだからまあ失敗なわけだが、その失策の過程が最近終わった2大政党時代の状況と似ているという話題だった。 

少し興味がわいたので本でも探して掘り下げてみようかと検索してみた。 
対談に登場した学者の著作をあらえばいいだろうと思った。 

が、調べてみるとあまりよろしくなさそう。ウィキってみるとこの学者はアジることの好きな人物でイマイチ信用が置けなさそうなのだ。 

あてが外れてしまった。 
しかもアマゾンレビュー眺めてるうちに当時起きたことのあらましは理解してしまった。学術系は優秀な人多いからレビューなぞってるだけでそこそこ内容わかっちゃうんだよね・・・。この時点で2大政党はもう半分以上どうでも良くなってしまっていた。 

本を物色する中、アマが推してくる関連書籍で「昭和史講義」という新書が浮かび上がった。 
タイトルだけ聞くと概要なぞっただけのように見えるが、内容は歴史学者が書いた本格的な内容。だから先月読んだ応仁の乱と同じく軽くはなさそうに見える。「応仁」と違うのは大量の学者を投入している点だ。昭和史研究は内容が細分化し過ぎて単独で通史を作るのは難しいらしい。なので、テーマごとに若手中心に担当者を割り当て集約して「講義」という名目を取ったということらしい。現在、「昭和史講義」は3巻まで出ている。なかなか売れてるようだ。歴史修正主義への反動需要ということか。 

結局これを読むことにした。 
現在2巻目の後半まで読み進めたところ。3は人物伝で面白くなさそうなので2巻までで終わりにする予定だが。 


内容のざっくりな感想としては「応仁」より読みやすいということか。というか、そもそも「応仁」は内容がとんがりすぎていたと思う。あちらは古文書投げつけられていきなりレクチャー始まる感じで、高校の中世史を真面目に勉強した程度の知識では歯が立たない。その点「昭和史」は文献整理して論点まとめてるわけだから、随分印象が違う。高校の日本史勉強してたらだいたい内容は追える。まあ現代と近い世界でもあるしね。 

しかし自分の身の回りの社会状況への認識という点。近現代史歴史観や現在の政治経済への解釈という点では「応仁」をはるかに超えるインパクトを自分に与えた。いや与えている、か。現在も進行中だ。読み始めた当初は「応仁」ほどのインパクトはないだろうと思っていた。政党政治のとこだけなぞるのが目的だったから期待してなかったし。それがどうしたことか、昭和前期の世相や政府中枢の「変遷」が自分の感覚の中で実体化したような気がする。現代世界と近い世界だからか?そもそも情報量が多いから? 
以前は雑多に並んでいた松岡洋右とかノモンハン事件とかの各歴史用語が有機的なつながりを持ち始めたというか・・・。そういった知識の整理整頓に傾いてるせいか、読んでる時間より読んだ内容を消化する時間の方がはるかに長くなってしまっている。 


英語のリーディング学習もさっさと進めたいんだけどなあ…。10月中にHarry Potter読むつもりだったのに完全に完全に遅れてしまっている。でも自分の人生的にはハリーポッターの文章解釈できるより、関東軍が暴走した理由を説明できる方が大事だろうしなあ。

そろそろ終わりにしたいが、どこまで引っ張るかね。