からすぶろぐ

雑多な長文

新型コロナウイルスは感染拡大するか?

私は、何年か前から株式投資をやっている。

 

今年2020年に入ってすぐのこと。中国から新型ウイルス感染拡大の懸念が持ち上がり、株式相場はその後、2月初めまでに2回ほど――今から考えれば――小さな下落があった。その後暴落があり、3月中頃から4月現在までは戻り歩調をたどっているところだ。

 

私はこの間、投資家(短期トレーダー)の一人として相場の動きをつかむために、ウイルス被害の実態について日々情報を取得し、考えを巡らせてきた。このウイルスは毒性はどの程度か、感染はどの程度するか、いつから広まり始めたか、感染が広まる人的規模どの程度か、感染の及ぶ範囲はどの程度か、感染はいつ終息するか。これらの疑問には解答がなされたものもあるが、なされていないものもある。

 

さて、あしかけ4か月余りにわたってこの騒動を見守ってきたが、現状の成り行きを見ていて奇妙に感じることがある。

 

現在日本では、政府が緊急事態宣言を出して外出自粛要請(何度見ても醜い日本語)をいくつかの自治体に行っている。政府のこの対応策には批判があり、宣言対象の自治体を増やせというもの――すでにいくつかの自治体は独自に宣言を行った――や、より強力な都市封鎖措置をとれ(下のリンク先参照)という意見が多いようだ。

 

https://kyodonewsprwire.jp/release/202004068822

外出禁止令を発令することの賛否を調査したところ、全体の74.9%が「賛成」と回答しました。

 

ただ対応には賛否があるものの、政府から一般市民の意見まで共通する懸念は、4月のこの後に日本では新型コロナウイルス感染が拡大するという点だ。

 

私はこのウイルス拡大のピークはすでに終わり、現在は終息に向かっていると思っている。なので、日本政府や世間の人々の反応に驚いている。

 

 

いや、驚くべきなのは私の考えの方かもしれない。おかしいのは私だけなのかも。

 

まず単純な事実を整理したい。

 

中国武漢新型コロナウイルスの規模が拡大したのは1月。それが韓国に飛び火したのが2月。イタリアで感染者激増が確認されたのが3月入った頃だ。それから欧州全土に広まり、米国に波及してニューヨークでは3月下旬頃から感染の増加が顕著になった。

 

では日本は?

 

発生した中国との地理関係や中国人の往来具合から、韓国と同じ時期に感染拡大のピークがやってきたと考えるのが自然だ。韓国の感染は2月でピークアウトし、3月初めでほぼ終息している。だから日本の感染も終息したはずだ。あるいは、仮に感染爆発が起きたのなら、今頃は火葬場がパンクしているはずだ。しかし、現実には日本国内で死者が顕著に増加したという話はない。航空各社の国際便もほとんど止まっているなか、この後米国や欧州から誰かがウイルスを運んでくることもない。感染が広まらなかった理由はよくわからない。しかし、危機は過ぎたのである。

 

 

とまあ、自分で納得するだけならこれだけで十分だが、この誰も訪れないブログ――開設から3年間で424人がこのブログを閲覧した――を熱心に読みあさる奇特な方がいるかもしれない。また、私自身が将来これを読み返すかもしれない。そのとき、どうしてこのように考えたのか道筋をたどれるよう、感染拡大が終わったと考える根拠をもう少し書き足してみたい。

 

まず、感染拡大懸念の根拠として挙げられるのは、感染数の増加であろう。感染者数の推移はここから↓確認できる。

https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

 

日本での1日の感染者数は3/1は9人だったのが、3/15は63人、4/1は220人、4/15では355人と徐々に増えている。しかし、同時に検査数も増えている。PCR検査人数の表からは3/6で699人、3/24で3862人、4/14で9669人と確認できる。数値の推移が連動しないので把握しづらいが、PCRの検査人数に対して、コロナ陽性となった割合はざっくり5~15%で、検出率は当初から現状までであまり変わらないことが見て取れる。

 

PCR検査の検査体制は2月から今まで検査対象の全体数に対してまったく不足している。だからPCR検査人数とは検査できた最大人数ということになる。検査体制は徐々に拡充されているそうなので、1日当たりの感染者数はまだ増えるだろう。しかし、それで日本にいる感染者数の全体が増えているとは言えないだろう。ただし、減少した場合は感染者数が減ったということができるかもしれない。また、検出率を大きく上げることは難しいと考えられるため、1日の感染者数がある日10000人増えるということがあり得ないこともこの表からわかる。

 

検査体制の変遷との関係から感染者が増加していると言えないという立論は、少し弱い主張かもしれない。感染者数が減少しているとも言えないからである。そこで、もう少し材料を追加してみよう。

 

実際のところ、検査にあぶれているコロナ感染者数はどのくらい存在するのだろうか?素人ながら単純な計算をしてみたい。

 

まずコロナウイルスとは風邪のウイルスである。風邪の原因ほぼ90%がウイルスらしく風邪ウイルスは200種類以上いるそうだ。また、人は1年間で3~6回風邪をひくらしい。↓

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/01_kaze/

 

これらの前提をもとにすると、一つのウイルスの感染者が日本にどの程度いるのかざっくりと見積もれそうだ。日本の人口を1.3億人、風邪ウイルスをざっくり300種類としてその一つを今回の新型コロナと仮定すると、年間3回風邪ひいたとして1日あたり3,562人、ひと月あたりだと108,333人か。

うん、なんかこの数字だけだとピンとこないな・・・。

 

 

アプローチを変える。

 今回のコロナウイルス。罹患を確認する際、医者が問診するだけでは全くわからないので検査の必要があるのだが、それは普通の病院では受け付けていない。検査希望者は帰国者・接触者相談センターを通じて検疫所や保健所で検査が行われているようだ。しかし、これまでのところ検査の実績数があまり増えていない。ということは、検査希望者がいても相当数が拒否されていることだ。

 

↓がその拒否数の実績らしい。

https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000619807.pdf

 2月から3月までの相談件数313,475件に対して、受診までこぎつけたのが16,730件、さらに検査まで到達できたのが12,595件だ。つまり、コロナに罹っているかもと考えて検査を希望しても、医者に診てもらえたのが5%で、検査できたのが4%ということだ。

 

医療崩壊」を防ぐ云々だとか言っておいて、大量の罹患の疑い者を野放しにしていたのだから本末転倒な酷い話だ。しかし逆に考えると、この状態を2か月も許しておいて特に破局的な事態も起きたという話もないのである。肺炎患者が極端に増えたという話もない。死人が多すぎて火葬場がてんてこまいという話は全くない。ということは、やはり危機は来なかったと解釈できるのだ。